【マレーシアの宗教】イスラム教

モスク マレーシア情報
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こんにちは!マレーズです。

マレーシアのメインの国教は【イスラム教】です。
みなさんにとってイスラム教とは、あまり馴染みのない宗教かと思います。
日本のニュースでは、イスラム過激派の事件などが報道されているので、あまりいいイメージを持たない方もいるかもしれませんね。

今回は、そのイスラム教についてお話ししたいと思います。

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イスラム教とは

世界で約19億人が信仰するキリスト教につぐ世界第2位の宗教キリスト教・仏教とならぶ3大宗教の一つで、インドネシアは人口の9割がイスラム教徒のムスリム最多国です。

イスラム教徒のことは【muslim】と書いて【ムスリム】といいます。
また女性のイスラム教徒のことは【Muslimah】(ムスリマ)ともいいます。

【アラー】とはイスラム教の神を意味するアラビア語からきている言葉で、唯一の神。偶像崇拝はイスラム教では禁止されているので、アラーの神の像はありません。

【コーラン】と呼ばれる経典に基づいて、いろいろな教えを信者に伝えています。
また神を信じる信者であれば、他宗教との共存も許している心の広い宗教です。

イスラム教の聖地は【メッカ】といい、預言者ムハンマドの生誕地とされています。

現在はキリスト教徒が世界最大の人数を誇っていますが、2070年にはイスラム教徒とキリスト教徒がほぼ同数になり、2100年にはイスラム教徒が最大勢力になるとの予測をアメリカの調査機関「ピュー・リサーチセンター」が出しています。

モスクとは

マラッカモスク
マレーシア・マラッカ州にある、水上モスク

【モスク】は、イスラム教徒が礼拝するイスラム建築の建物です。ムスリムはそこでお祈りしますが、男女でお祈り出来る場所が分かれています。英語のスペルは【mosque】

【ミナレット】という、ロウソクのような建物が左右対称に建てられていて、マレーシアではプトラジャヤにある【プトラモスク】(通称:ピンクモスク)のミナレットが東南アジア最大の高さであると言われています。


モスクはとても美しいものが多く、世界に400万ヶ所もあるそうです。

イスラム教の礼拝

イスラム教徒は、1日に5回イスラム教の聖地メッカの【マスジット・ハラーム】というモスクの方角を向いて礼拝をします。このことを【サラート】といい、サラートの時間になるとモスクに建つ【ミナレット】から、礼拝を呼びかける【アザーン】が街全体に聞こえてきます。

礼拝は必ずモスクでしなければならないわけではなく、ショッピングモールや空港などには必ず【Surau】というムスリムがお祈りする場所が設けられているので、そこでも出来ます。

ただ金曜の礼拝の日はモスクでお祈りしたほうがいいとされていて、帽子を被って正装したムスリムがバイクや車に乗ってモスクに行く光景がよく見られます。特定のモスクでないと行けない決まりもなく、好きなところでお祈りが出来ます。

イスラム教徒の正装

女性の正装はマレーシア語でバジュクロン【Baju Kurung】といい、とても素敵な色の服が揃っています。断食明けのハリラヤのお祭りでは、家族みんなで色を合わせておしゃれをして家族・親戚の集まりに出かけています。

頭には【ヒジャブ】と呼ばれる被り物をかぶっていて、ヒジャブのしたには髪の毛が外に出ないようにヘアーキャップなどをつけています。ヒジャブだけでなく、いろんな形や長さの被り物があります。

マレーシアでは、これをかぶるか被らないかは家族のイスラム教に対する考え方しだいになっていて、きちんとしている家は女の子にもつけていて、緩い家は子どもにはつけていなかったりします。

アラビア半島の国(サウジアラビア・イエメンなど)保守的な国のムスリムは、【ニカーブ】という目しか見えない黒い被り物をかぶって、【アバヤ】という黒いロングワンピースを着ています。
マレーシアで見かけた時に飲食する時はどうするんだろう??と気になっていましたが、偶然見かけた時に【ニカーブ】は取らずに横によけて飲食していました。

イスラム教のルール

すべて右手を使う

物を手渡しする時、方角を手で示す時、どんな時でも右手を使わないといけません。
また指で指すのも良くないとされ、手をグーのかたちにして方向を示します。
左手は不浄といわれていて、使うと嫌がられてしまいます。

子どもの頭を手でなでてはいけない

子どもの頭は神聖なので、手で頭をなでてはいけない決まりになっています。
私は移住したての頃、そのことを知らずにかわいいマレー人の男の子の頭を撫でてしまい、お母さんに嫌そうな顔をされてしまってナゼ??と思ったことがあります。あとでその意味を知って、なるほど納得でした(^^);

女性は、公共の場で髪の毛や肌を露出してはいけない

ムスリムの女性は、髪の毛は【ヒジャブ】で覆い、長袖・ロングパンツやロングスカートを着て肌を出さない服装をしています。他人の前ではNGでも、家族の前では髪は出していてもいいので、自宅ではヒジャブをつけていない人も多いです。

マレーシアは他の中東のイスラム教の国のように黒い被り物や黒い服を着なくてはならないわけではなく、比較的ルールが緩いので頭にかぶる【ヒジャブ】はスカーフをおしゃれに巻いている人がいたり、色もカラフルでムスリムならではのおしゃれを楽しんでいます。

豚肉は食べない・お酒は飲まない

イスラム教徒は、豚は汚い動物(不浄)として教えられているのでけっして食べませんし、お酒も飲みません。

ハラル・ノンハラルとは

ロティ
マレーシアのハラルマーク(丸いマークの真ん中にアラビア語でハラルと書いてあります。)

ハラルとは、豚や豚製品・お酒類以外で厳しい検査に合格したムスリムが食べられる商品で、ハラルマークが必ずついています。このハラルマークは、イスラム教が国教である国によって形が違います。

ノンハラルとは、豚や豚製品・お酒類などのことを指します。スーパーで売られている豚肉や豚肉製品・お酒類は【ノンハラルコーナー】としてエリアが分けられていて、お会計も他のレジとは別になっています。またノンハラルコーナーの買い物カゴに、他のハラル製品を入れることは出来ません

マレーシアでは、中華料理など豚肉を扱うようなレストランでも、イスラム教のムスリムのために【No pork No Lard(豚のラード油)】という表示をだしていて、ムスリムを歓迎しているところもあります。

最近日本に観光や留学・仕事で行っているマレーシア人(イスラム教徒)が増えていますが、イスラム教のハラル・ノンハラルは日本にはまだまだ馴染みのない食習慣なので、ハラル製品は少し見かけることもありますがハラルのレストランはほとんど見ないですね。

もっとハラルのお店が増えて、イスラム教の人たちも生活しやすい日本になってほしいと思います。

イスラム教の断食

イスラム暦(太陰暦)の新月の日からイスラム教信者たちの断食は始まります。太陰暦のため毎年時期が変わり、毎年11日ずつ早くなっていて33年に一度同じ時期になるとのこと。

イスラム歴の9月にあたる時期、その月のことを【ラマダン】といいます。約1ヶ月間、健康で若い人は日中の飲食はせずに過ごします。夜明け前と日没後の太陽が出ていない時間だけ飲食することが出来ます。乳幼児・妊婦・体調を崩している人やお年寄りの断食は免除されます。

これは、それぞれ信者個人と神様(アラー)との約束


断食をすることで、貧しい国の食べ物が食べられない人たちの気持ちを知って、「食べ物や食べられることに感謝をする」という意味が込められているそうです。常夏の国で1ヶ月間もの断食はすごく大変だと思いますが、貧しい国の人たちの気持ちを知ることの大事さを教えてくれるイスラム教の素晴らしい行事ですね。

断食のほかにもルールがあって、それらは5つ合わせて【五行】と呼ばれています。

イスラム教の【五行】

シャハーダ

アッラーの他に神なし。ムハンマドはアッラーの使徒なり。という言葉を礼拝の時に唱えることを指します。

サラート

1日5回の礼拝を意味します。この5回の礼拝は義務で、礼拝前には手足をお清めします。

サウム

断食を意味します。

ザカート

貧しい人のために、自分が1年間得たお金から寄付すること。それぞれの国で制度化されていて、だいたい年収の約2.5%とされています。

ハジ

健康で経済的に余裕のある信者は、生涯に一度は行かないといけないメッカへの巡礼のことを意味します。イスラム暦の12月8日から12日までの5日間に、決められたやり方と道筋でメッカのカーバ神殿をお参りしなくてはなりません。この期間以外に巡礼することを【ウムラ】といいます。

ラマダン時期のエピソード

ラマダン中のある日、ショッピングモールのフードコートで私は家族と夕食を食べていました。

空が薄暗くなってきたころ、ムスリムの家族(おじいちゃん・おばあちゃんや小学校低学年くらいの孫たち)がフードコートに入ってきて料理を注文し、料理はテーブルに載せたまましばらく食べる気配がありませんでした。夜7時がすぎ陽も落ちてあたりが暗くなってきた時、家族みんなでお祈りして夕食を食べ始めていたのをみて、これは子どもたちにもすごくいい教えだと思いました。

特に熱心に信仰する宗教を多くの人が持たない日本人である私たちは、その光景にハッとしました。何も考えずにお腹が空いたからと当たり前のように夕食を食べているけれど、好きな時に好きなものを当たり前のように食べられることに感謝しないと!とあたらめて思いました。

また私たちは、その時メディアだけの情報でイスラム教を判断してはいけないなと反省。イスラムの真髄に触れた気がしました。マレーシア人の優しさは、こうゆうイスラム教の教えからもきているんだと思います。ムスリム以外のマレーシア人ももちろん優しい人が多いですよ(*^^*)

ところで断食が終わると、【ハリラヤ】というイスラム教の断食明けのお祝い行事があります。家族・親戚がみんな集まるマレーシアのムスリムの中では一年で一番大きなお祭りです。

他宗教の国に移住するときには、言葉や日本からの位置などその国の基本的なこと以外に宗教のこと(ルールやタブーのこと)についても知っておくと、移住してからも早くその国の習慣に慣れることが出来るし、友だちも出来やすくなると思います。少しでも、参考になったら嬉しいです^_^

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